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水道橋博士 小中学生の頃から『ユダヤの商法』を読む、過剰な読書遍歴

Q11.水道橋博士にとって“本”の魅力とは? 

■子供の頃からの活字中毒、重症につき。 

 読書家かどうかはともかく、オレは子供の頃から活字中毒ではありますね。小学校の図書館にあるポプラ社の江戸川乱歩シリーズを全巻読むのも校内でいちばん早かったし、家が商売をやってたから、父親の本棚から変な本ばっか持ち出してたね。

▲『ユダヤの商法』は2019年に復刊

 藤田田(日本マクドナルドの創始者)の『ユダヤの商法』とか『金持ちラッパの吹き方』とか、糸山英太郎(「仕手戦の名手」と呼ばれた実業家)の『怪物商法』とか邱永漢(「株の神様」と呼ばれた実業家)の本とかを小中学生の頃から読んでいたんですよ。電車でそういう本を読んでいると、「キミは何を読んでるんだ!?」ってよく聞かれましたね(笑)。

 父の本棚で言えば、吉川英治や司馬遼太郎の箱入りの全集をよく読んでました。漢字が読めないのに、そんなのも気にせず勢いで一気読み。とにかく『三国志』なんか、内藤陳さんじゃないけど、今でも生涯で一番面白かった読書体験です。

 同世代の人は皆、同じ本を読んでる世代認識ってありますよね。筒井康隆や小林信彦とか五木寛之とか、あるいはエッセーだと遠藤周作か北杜夫が、どっちが好きか、狐狸庵先生派かドクトルマンボウ派か、今なら(村上)龍派、春樹派みたいな感じで言ってましたね。それについて話せば、ほぼ世代がわかりますよね。SF小説の基礎的なものとか、今、読まないですよね。

 でも、子どもの頃と今では本を“読む感覚”がまったく違うんですよね。今はどんな本を読む時でも「書評を書く感覚」で読んじゃう。これを読んだら、ブログにこう書こうとか、誰かに書評を頼まれたときのフレーズとか……。映画を見る時もそうですね。後で感想を求められたら、こう答えようとか、常にそういう二次使用が頭のなかにあるんですよ。純粋にエンターテインメントを“浴びる”とか“楽しむ”みたいなことは、もう少ないですね。

 それに比べて小学校や中学校の時に読んでいた頃というのは、それとはまったく違いますね。本当に心奪われて、その本の世界の中に(気持ちが)持っていかれてる。そういう状態で本を読んでいる人、そんな感情で本を読める人に憧れますね。

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水道橋博士

すいどうばしはかせ

1962年岡山県生れ。ビートたけしに憧れ上京するも、進学した明治大学を4日で中退。弟子入り後、浅草フランス座での地獄の住み込み生活を経て、87年に玉袋筋太郎と漫才コンビ・浅草キッドを結成。90年のテレビ朝日『ザ・テレビ演芸』で10週連続勝ち抜き、92年テレビ東京『浅草橋ヤング洋品店』で人気を博す。幅広い見識と行動力は芸能界にとどまらず、守備範囲はスポーツ界・政界・財界にまで及ぶ。芸能人の中でいち早く始めたブログ、ツイッターなどでの情報発信も盛んに行っている。



公式ブログ「博士の悪童日記」:http://blog.livedoor.jp/s_hakase/



ツイッター:https://twitter.com/s_hakase


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